仙台国際音楽コンクール期間中は、より多くの人々にコンクール出場者の素晴らしい演奏をとどけるため、仙台市民が主催・運営するミニ・コンサートが開催されます。
今回は、仙台中央音楽センターが主催する“RooM特別編-夢見る部屋 #027【ヴァイオリン】”
のレポートをお届けしたいと思います。
開催日:2025年5月31日(土)11:00~
会場:仙台中央音楽センター IVy HALL
出演者(ヴァイオリン):松木翔太郎、パク・ウォンミン、コー・ドンフィ、(ピアノ伴奏)加藤直子
当日の天気は、5月の仙台にしては珍しいほどの土砂降りの雨。それにもかかわらず、100席ほどの会場は、ほぼ満席の状態でした。
会場にはShigeru Kawaiのピアノの前に芍薬の花が飾られており、つややかな黒のピアノの色がフクシアピンクの花の色を際立たせ、これから始まる演奏への期待感も高まるかのようなしつらえでした。
■松木翔太郎さん
演奏曲:パガニーニ/クライスラー編 イ・パルピティOp.13
イ・パルピティとはイタリア語で“鼓動”という意味であることを直前に調べて聴いたところ
なるほど!と合点がいくほど、松木さんは軽やかで小気味よい演奏をされていらっしゃいました。難しそうな高音の重音も楽々と弾いており、また鳥のさえずりかのような繊細な音もだされていました。演奏後のインタビューでは、この曲の練習は3日前から始めたとのこと。驚きです。
■パク・ウォンミンさん
演奏曲:メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲ホ短調 Op.64より第一楽章
紫色のドレスで登場したパクさん。セミファイナルで演奏予定だった曲を演奏されました。
演奏者と観客の距離が近いホールのため、普段は気づかない弓と弦が擦れる音や、運弓の様子、演奏者の息づかいまでもが手に取るようで、IVy HALLの良さを再確認しました。もちろん演奏も完璧で、オーケストラと一緒に奏でる彼女の演奏も是非聴いてみたかった、と思いました。
■コー・ドンフィさん
演奏曲:モーツァルト ロンドハ長調K.373、ドビュッシー 美しき夕暮れ
コーさんは、第7回仙台国際音楽コンクール(2019年開催)では6位入賞の成績を収められました。今日の演奏会では予選で演奏されたモーツァルトを弾かれました。予選の時とはまた一味違い、リラックスしてのびのびと演奏されているように見えました。時折笑みを浮かべながらドビュッシーを弾く様子は、“この曲が好き”が、溢れ出ているように見えました。
演奏後、サインをいただいた際、仙台にお帰りなさいとお声がけしたところ、にっこりされて
「ありがとう、このような機会に恵まれてよかったです。」とおっしゃっていました。
お三方の今後の活躍をこれからも応援していきたいと思います。
【お知らせ】
第8回仙台国際音楽コンクール(2022年開催)ピアノ部門第4位のジョンファン・キムさんの
演奏会が開催されます。コンクールから約3年、キムさんの演奏がどう素晴らしく変化しているか、とても楽しみです。
開催日時:2025年6月17日(火)18:30開演 18:00開場
会場:仙台中央音楽センター IVy HALL
広報宣伝サポートボランティア W



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