2025年5月1日木曜日

片田愛理 ピアノリサイタル レポート

 2025年4月30日、東京の武蔵野公会堂で行われた、片田愛理さん出演のコンサートを聴いてきました。片田さんは第5回仙台国際音楽コンクール・ピアノ部門に出場し、第5位に入賞されたピアニストです(仙台では、予選にショパン練習曲集、セミファイナルはモーツァルトのK.482、ファイナルではリストの協奏曲1番を演奏されました)。仙台での受賞のほか、ヴィオッティ国際音楽コンクールで第2位(1位なし)受賞など、国内外のコンクールで数多くの入賞され、その後も国内外で活躍中です。




















片田愛理 ピアノリサイタル

【日時】 2025年4月30日(水曜日)

【会場】 武蔵野公会堂

【出演】 片田愛理(ピアノ)

【演奏曲目】(オール ショパンプログラム)

    舟歌 嬰へ長調 Op.60
    4つのマズルカ Op.24
    ワルツ第5番 変イ長調「大円舞曲」Op.42
    バラード第4番 へ短調 Op.52
    24の前奏曲 Op.28より第1~第12番
    3つのノクターン Op.9
    アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ Op.22
    アンコール:24の前奏曲より第15番「雨だれ」

片田さんはとても強く印象に残っているピアニストです。それというのも、筆者が仙台国際音楽コンクールのボランティアを始めた第5回のコンクール(2013)の入賞者だからです。あれからはや12年。片田さんの進化を確かめたくて、フライヤーを見てすぐ聴きに行くことを決めたコンサートでした

今回のプログラムはオール・ショパン。前半は舟歌、マズルカ、ワルツ、バラードとバラエティに富んだ曲目が並びました。片田さんのピアノは落ち着いた流れで、抑制の効いた表現による、かつ集中力も強い均整のとれた演奏でした。そして、ところどころに間合いを入れて、そこからささやくようなフレーズが奏でられます。強弱がコントロールされた清新なショパンを聴かせてくれ、片田さんが年月によって得たものを感じました。

休憩後はミニトークから始まりました。片田さんにとって思い出深いショパンコンクールが開催されていることを前振りに、自分はもうコンクール人生は終わって、第二ステージに入ったことをお話しされました。後半のプログラムは前奏曲集の前半12曲、有名なノクターン3曲、そして、華やかな「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」でコンサートを締めくくりました。後半はより表現の幅を取って、力強さも加わり、聴きごたえのある時間を過ごすことができました。表現は大きくなっても集中は途切れず、均整の取れた中にも香気さえ感じさせるフレーズ、大きな呼吸感を伴った旋律が続き、ポロネーズを弾き終わると、満席の会場からは盛大な拍手が起こりました。アンコールは「雨だれ」をしっとりと弾いてくれました。コンサートを通して、甘すぎず、爽やかなショパンを満喫しました。今度は片田さんのシューマンも聴いてみたいです。引き続き応援していきます。


いよいよ今月、第9回仙台国際音楽コンクール開幕ですね。どんなドラマが待っているのでしょうか。

広報宣伝サポートボランティア  岡

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