2023年5月25日木曜日

優勝も納得! ルゥオ・ジャチン ピアノリサイタル


2023年5月24日、東京・浜離宮朝日ホールで行われた、ルゥオ・ジャチンさんが出演されたコンサートを聴いてきました。ルゥオ・ジャチンさんは第8回仙台国際音楽コンクール・ピアノ部門に出場し、優勝された中国のピアニストです。ルゥオさんは1999年生まれ、十代半ばから多くのコンクールに挑戦し、優勝を含め数々の受賞を得てこられました。現在はニューイングランド音楽院でダン・タイ・ソンさんに師事されています。


今回のコンサートは昨年開催された第8回仙台国際音楽コンクールに優勝された記念コンサートでした。この日の圧倒的なできばえに、会場にいた聴衆は誰もが、ルゥオさんの優勝を納得したでしょう。とにかくすごかったのです。私の聴いた印象は下に記しますが、次の日曜日の仙台公演に行くか迷っている方へ断言します。行きましょう!
                             
(当日券あります)


第8回仙台国際音楽コンクール優勝記念
 ルゥオ・ジャチン ピアノリサイタル

【日時】2023年5月24日(水) 19時開演
 
【会場】浜離宮朝日ホール (東京都中央区築地)
  
【出演者】ルゥオ・ジャチン (ピアノ)
     
【演奏曲目】
シューマン/ピアノ・ソナタ 第1番 嬰ヘ短調 作品11
スクリャービン/ピアノ・ソナタ 第7番 作品64「白ミサ」
スクリャービン/ピアノ・ソナタ 第9番 作品68「黒ミサ」
フォーレ/ヴァルス・カプリス 第1番 イ長調 作品30
フォーレ/舟歌 第1番 イ短調 作品26
フォーレ/即興曲 第2番 ヘ短調 作品31
フォーレ/ノクターン 第6番 変ニ長調 作品63
フォーレ/ノクターン 第8番 変ニ長調 作品84-8
シュルツ=エブラー/
 ヨハン・シュトラウスの「美しき青きドナウ」によるアラベスク
アンコール
 ショパン/マズルカ イ短調 作品67-4
 モシュコフスキ/スペイン奇想曲 作品37
 シューベルト/楽興の時 ヘ短調 作品94-3 
          
では、ルゥオ・ジャチンさんの演奏を聴いた感想を記します。5月28日には仙台公演が待っています。曲目ごとの感想は一種のネタバレになってしまうので、ここでは、全体の感想にとどめます。

特筆したいのは、演奏曲目と演奏順です。メインの曲を後半に持ってくるのが多くのコンサートでは普通ですが、ルゥオさんは、前半に内容的に重い曲を、後半は優雅な曲や爽やかな曲を持ってきました。コンサートが進むにつれて、気持ちが解放され、癒やされていくのを感じました。終演の時、しみじみ「良い演奏会だったな」と思いました。当日配られたプログラムでルゥオさんは今回の演奏曲目を「お気に入りの作品を集めた宝箱」と記しています。深い印象と爽やかな余韻が残るひとときを仙台でも満喫してください。

私がルゥオさんの優勝を改めて納得できたのは、このリサイタルで彼のピアニズムの形が確立されているといっていいほど、安定していると感じたからです。ピアノの機能を十分使って、すばらしい美音を引き出していましたが、曲の構造はしっかり捉えていてまったく崩れません。音の強弱やスケールの幅はとても大きいのですが、決して派手でなくコントロールされている演奏を聴いてホロデンコさんを連想しました。加えて、集中力はすごいのですが不思議と緊張感を感じさせないので、聴いていて疲れないのです。均整が取れた美しい音の粒にぜひ身をゆだねていただければと思います。


仙台公演 5月28日(日)14:00 日立システムズホール仙台にて!

 仙台国際音楽コンクール公式サイト 


ルゥオさんのリサイタルはこれから、盛岡、札幌、名古屋でも行われます。また、仙台フィルの6月定期演奏会でサン=サーンスのピアノ協奏曲第2番を演奏されます。仙台国際音楽コンクール公式サイトを引き続きご覧ください!

 仙台国際音楽コンクール公式サイト



広報宣伝サポートボランティア  岡

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