
昨日6月20日(金)、東京の浜離宮朝日ホールで第5回仙台国際音楽コンクール優勝記念演奏会東京公演の2日目が行われました。2日目の出演はピアノ部門優勝者のソヌ・イェゴン(SUNWOO Yekwon)さんでした。
プログラム
モーツァルト/ピアノ・ソナタ 第10番 ハ長調 K330
ショパン/バラード 第3番 変イ長調 op.47
リスト/巡礼の年 第1年 スイス「オーベルマンの谷」S160-6
チャイコフスキー/四季 op.37bis から6月「舟歌」8月「収穫の歌」10月「秋の歌」
ラフマニノフ/ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ長調 op.36 (1931年版)
アンコール
メンデルスゾーン/結婚行進曲(ピアノ編曲版)
リスト/「ラ・カンパネラ」
ヨハン・シュトラウス /「こうもり」より (ピアノ編曲版)
優勝記念演奏会2日目のプログラムは昨日とは対照的に幅広い時代のピアノ作品が選択されていました。ソヌさんの選んだピアノはコンクールの時と同様「ヤマハ」でした。
最初のモーツァルトは様式美も美しい、鍵盤を羽毛でなでている様な、繊細で完璧にコントロールされた演奏。「癒し」を感じさせる音色でピアニシモの美しさも絶品でした。2曲目はショパンのバラード第3番。これまでソヌさんのピアノは何度も聴いているのですが、意外にもショパンは昨年の仙台での優勝者記念リサイタルでのアンコールで弾かれたノクターン「遺作」以来2回目でした。ここでもショパンの様式にのっとった均整の取れた演奏が聴かれました。ソヌさんはあまりルバートは使いませんが、ところどころのさりげない歌い回しから、ほのかな詩情は匂ってきます。3曲目のリストはソヌさんの卓越した技巧が炸裂した圧倒的な演奏でした。ぞっとするほど美しいピアニシモも印象的です。でも、よく見られる技巧見せびらかし的なリストではなく、超絶技巧に高い音楽性が伴っているので、十分な聴きごたえがありました。
後半のチャイコフスキーは美しい旋律の中に、精神的な昇華が見られ、ゴージャスかつ引き締まった満足度の高い演奏でした。そして、いよいよこの日のメイン、ソヌさんが小さいころからコンサートに掛けることを夢見ていたラフマニノフのピアノソナタ第2番を耳にする時間がやってきました。この曲の演奏にはもう言葉がありません。まさにそれはソヌさんの全てといっていいほどに!1楽章と3楽章はソヌさんのヴィルティオーゾが全開に花開いていましたし、2楽章は様々な色に彩られた夢のようなひと時で、私は舞台に揺らめく万華鏡が回っている錯覚さえ感じました。そして完全な造型性に支えられており、曲全体に完全なバランスが保たれていました。今日このコンサートに来た人にとって、この曲の演奏は多分一生忘れられないものになったはずです。
アンコールも技巧性が極めて高い3曲が披露され、大曲の後の疲れは微塵も感じさせません。本当に「凄い」という言葉がぴったりでした。終演後、大きな拍手が続いたことは言うまでもありません。全曲を通じて、ソヌさんのピアノから感じたことは、非常に高い集中力が維持されていますが、それが聴衆に少しも緊張感を与えないということでした。だからソヌさんの演奏を聴いた後は非常に後味が良い、爽やかな清々しさを感じます。仙台国際音楽コンクールが私たちにソヌ・イェゴンというピアニストとの縁を与えてくれたことに心より感謝して、昨日の演奏会の報告とさせていただきます。
広報宣伝サポートボランティア 岡
0 件のコメント:
コメントを投稿