
昨日6月19日(木)、東京の浜離宮朝日ホールで第5回仙台国際音楽コンクール優勝記念演奏会東京公演の第1日目が行われました。第1日目の出演はヴァイオリン部門優勝者のリチャード・リン(林品任)さん。ピアノ共演は弟のロバート・リンさん(林品安)さんでした。
プログラム
ブラームス/ヴァイオリンソナタ 第1番 ト長調 op.78 「雨の歌」
ヴァイオリンソナタ 第2番 イ長調 op.100
ヴァイオリンソナタ 第3番 ニ短調 op.108
コンクールファイナルで弾いたブラームスをさらに探究したいとソナタ全曲演奏に臨んだリンさん。東京凱旋の晴れ姿をこの目にしたく、私も仙台から東京に駆けつけました。青いシャツに黒のスーツがお揃いのリンさん兄弟が舞台に現れた時、会場にいる多くの聴衆の拍手が二人を包みました。見回すと、多くの東京の方に混じって、仙台からの方もちらほらいらっしゃいました。
入場の拍手に笑顔で応え、演奏を始める直前、集中のため天井を見上げるリチャード・リンさんの姿を見ると、昨年のコンクールでのファイナルでの緊張感やガラコンサートの華やかな情景がよみがえってきました。この日、リチャードさんが使用した楽器は1733年に作られた銘器「グアルネリ・デル・ジェス」。台湾の奇美(チーメイ)文化基金会から、この日のために託されたものだとのことでした。その銘器からリチャードさん特有の心に吸い付くような美音が発せられて、リサイタルが始まりました。
リチャードさんの演奏はブラームスのソナタ全曲を通して、しっかりした構成感を維持しつつ、全編が美音に貫かれたものでした。ブラームスの優しさや憂愁感もしっかり表現され、第3番終楽章の激しく、ダイナミックな部分の感情の表出も十分です。この日特に私が感銘を受けたのは第2番の2楽章。精神的に深遠な世界に連れられて、その瞬間時間が止まったように感じました。コンクール後の1年間という時間がもたらしたりチャードさんの進化の証がこの楽章だったように思います。
リチャードさんの弟のロバートさんのピアノも清潔感のある音色による的確なサポートでリチャードさんを支えていました。ロバートさんのピアノが特に光って、二人の楽しい掛け合いが楽しめたのが、アンコールでした。会場の熱い拍手に応えて、二人はアンコールを3曲もプレゼントしてくれました。1曲目は「花は咲く」。アンコールの際、二人は花を一輪手に持って登場しました。そして、何とロバートさんの伴奏でりチャードさんは「花は咲く」の冒頭のワンフレーズを日本語で歌ってくれたのです。その後、ロバートさんが次のワンフレーズを弾き語りし、それに続いて合奏となったのですが、リチャードさんは客席に向かって「どうぞご一緒に」と目配せしたので、聴衆の多くが合奏に合わせて「花は咲く」を口ずさみ、会場は一体感に包まれました。アンコール2曲目は「TANGO」、そして、3曲目は「愛燦々」。このアンコールは実の兄弟だからこそ可能になった、絶妙なコンビネーションの賜物でした。
リチャード・リンさんの深く美しい音色と愛すべき親しみやすいキャラクターは今後、多くの人の心を捉えていくに違いありません。彼が世界に羽ばたくきっかけとなった場所が仙台であることを、私たちはこれからも誇りに思っていきたいと思います。
さて、今日は優勝者記念演奏会東京公演2日目。ピアノ部門優勝者ソヌ・イェゴンさんが子供の時からコンサートに掛けることを夢見てきた「ラフマニノフピアノソナタ第2番」を披露する日です。当日券(18:00より会場の浜離宮朝日ホールで販売予定)も若干あるようですから、どうぞ皆様、ご一緒に!
広報宣伝サポートボランティア 岡
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