2016年3月24日木曜日

第6回SIMC関連事業 「はばたけコンチェルト」Vol.3

 
若い個性が弾けた2時間。コンクールももうすぐ! 
 
月21日(月)、仙台市宮城野区文化センターのパトナホールで行われた第6回仙台国際音楽コンクール関連事業「はばたけコンチェルト」Vol.3を聴いてきました。1月のVol.1から始まって、今回がシリーズ最終回。事前に用意されていたコンクールのプレイベントとしてはほぼ最後のものとなり、音が良く響くという評判のパトナホールはコンクールを待ちわびる人の期待で反響が更に大きくなったように感じました。
 

第6回仙台国際音楽コンクール関連事業
はばたけコンチェルト Vol.3

 2016年 3月21日(月・祝) 14:00開演
   宮城野区文化センター パトナホール

【出演】
  ヴァイオリン:傳法 朋佳、後藤 絢音、上野 早智、鈴木 双葉、江口 航太郎
  ピアノ:跡邊 彩貴、金野 由佳
  仙台フィルメンバーによるアンサンブル
    西本 幸弘(ヴァイオリン)
    山本 高史(ヴァイオリン)
    井野邉 大輔(ヴィオラ)
    三宅 進(チェロ)
    助川 龍(コントラバス)
  チェンバロ:梅津 樹子
  ナビゲーター:庄司 美知子(ピアニスト/SIMC企画推進委員)

【演奏曲目】
  バッハ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調 BWV1041
  ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 イ短調 RV522 
  バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
  モーツァルト:ピアノ協奏曲 イ長調 K414 第1楽章 
  モーツァルト:ピアノ協奏曲 ハ長調 K415 

このコンサートシリーズ、「はばたけコンチェルト」は仙台国際音楽コンクールの関連事業の一環として企画されたイベントで、仙台にゆかりのある若い音楽家を広く紹介することを目的としています。そして、多くの仙台市民や周辺に住む皆様に身近にクラシック音楽を楽しんでもらう機会提供も兼ねています。今回はその第3回目。仙台国際音楽コンクールの企画推進委員を務めて下さっているピアニストの庄司美知子さんのナビゲートの下、仙台フィルの室内アンサンブル(チェンバロは梅津樹子さん)をバックに7人の若い音楽家がソロとなり、協奏曲を奏でました。
 
まず、庄司美知子さんより、次の様なご挨拶を頂きました。
 
第6回仙台国際音楽コンクールに向けて様々なプレイベントが行われてきましたが、今回は3回のシリーズで行ってきた「はばたけコンチェルト」の最終回です。昨年このシリーズのオーディションを行い、ソリストを選ばせて頂きました。仙台国際音楽コンクールは「コンチェルトのコンクール」として世界的にも名を馳せております。演奏家にとってコンチェルトというのはなかなか演奏する機会がありません。今回は若い人にコンチェルトを弾く機会を与え、大きく羽ばたいて、いつか世界で色々なオーケストラと共演できるようになったらどんなに素晴らしいかなという、そんな気持ちで見守りつつ企画してきました。今日は若いというよりは、小さいと言った方がよいソリストも出演します。楽しみなコンサートになると思います。今日共演して下さる仙台フィルの皆さんも一昨日定期公演が終わったばかりですが、お忙しいところを若い人たちのために一所懸命リハーサルにお付き合い頂きました!
 
この日のプログラムの最初はバッハのヴァイオリン協奏曲第1番イ短調(BWV1041)でした。ソロは傳法朋佳さん。傳法さんは仙台市内の小学校に通う2年生で、4歳からヴァイオリンを始めてまだ4年ですが、すでに2013年、国際ジュニアコンクールA部門第3位というキャリアがあります。また2014年にはハマのJACKおんがくファミリーランド「おおきなかぶ」に出演しています。青いドレスに身を包んで入場してきた時は思わず「可愛い」と感じましたが、幼さを忘れさせるような落ち着いた舞台態度で堂々とバッハを弾き切ったことに驚かされました。柔らかで、アンサンブルに溶け込むような演奏は洗練されていて、素晴らしい出来映えだったと思います。演奏後のインタビューでは、オーケストラとの共演は初めてですが、すごくやわらかくてきれいな音が耳に響いてきて、気持ちよく弾けましたと話してくれました。またコンチェルトを弾いてみたいという傳法さん。手に持っているのはまだ1/2サイズのヴァイオリンでしたが、その音色を会場中に響かせて、将来を期待させてくれました。


2番目のプログラムはヴィヴァルディの2つのヴァイオリンのための協奏曲イ短調でした。ヴァイオリンソロは後藤 絢音さんと上野 早智さん。二人は郡山と会津若松の中学校に通う中学生。ともにバッハホール音楽コンクール入選の実績を持っています。この日の演奏はとても初々しく、アンサンブルとの掛け合いも息がピッタリでした。ヴィヴァルディの優雅さや物憂げな感じもよく表現され、バロック音楽の様式が的確に演奏されていたと思います。

演奏後のインタビューでは、お2人それぞれ郡山、会津若松でレッスンを受けながら、先生からうまく合わせるにはどうしたらよいかアドバイスを受けて練習を重ねてきたことを話してくれました。リハーサルの際はとても緊張したけれど、当日はとても楽しく、リラックスして演奏できたそうです。震災後、福島で大変な思いをしながら音楽を続けてきた2人に会場からは熱い拍手が送られました。


3番目のプログラムはバッハの2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調(BWV1043)でした。ソロは鈴木双葉さんと江口航太郎さん。このお2人の名前をどこかで聞いたような気がして調べてみたら、昨年3月の街かどコンサート「小さなフィドラーたち」でも共演していたのですね。お2人とも今年から仙台市内の中学校に進学されています。鈴木さんはセシリア国際音楽コンクール小学校5、6年の部で優勝、全日本学生音楽コンクール東京大会入選の実績があり、江口さんも国際ジュニア音楽コンクールD部門優勝、桐朋学園全国ジュニア音楽コンクール小学校高学年の部で第3位、宮城教育大学学長賞受賞の実績があります。力強く艶のある、のびやかな音色で弾き進める鈴木さん、奥ゆかしく豊かで、良く通る音を一つ一つ確実に決めてくる江口さん。二人の個性がぶつかりながら、複雑に織り合うバッハの音楽を楽しむことができました。インタビューでは2人ともとても楽しく演奏できたことを話してくれました。リハーサルの時も、お互いアイコンタクトをしっかり取って合わせたとのことで、その成果が当日の演奏にもよく反映されていたと思います。今後パガニーニやチャイコフスキーのコンチェルトに挑戦したいというお2人の将来が楽しみです。


4番目のプログラムはモーツァルトのピアノ協奏曲イ長調(K414)より第1楽章でした。ピアノソロは仙台市内の中学に通う跡邊彩貴さん。スペイン音楽コンクール第1位、洗足学園ジュニア音楽コンクール奨励賞、モーツアルトコンクール本選出場の実績があります。演奏は均一で粒がそろった音で、転がる様な曲調をフレッシュに表現していました。明暗が交代するようなモーツァルトの調べも心を動かされましたし、時折出てくるおどけたようなフレーズもオシャレに表出されていました。コンチェルトは憧れだったので、今とても幸せとインタビューで語ってくれた跡邉さん、今後ラフマニノフのピアノコンチェルト2番を弾いてみたいそうです。


 この日最後のプログラムはモーツァルトのピアノ協奏曲ハ長調(K415)、全曲でした。ピアノソロは金野由佳さん。金野さんは横浜国際音楽コンクール審査員特別賞、大阪国際音楽コンクール入選。桐朋学園大学音楽学部を卒業され、演奏活動を続けながら、桐朋学園カレッジディプロマコースで更に研鑽を積まれています。 演奏は優しさとロマンにあふれたもので、アンサンブルとの掛け合いや呼吸感も素晴らしく、優美で気品と躍動に満ちたモーツァルトを聴かせてくれました。インタビューで金野さんは、緊張しましたが、すごく響くホールで素晴らしい仙台フィルの皆様のアンサンブルと共演できて良かったですと語ってくれました。モーツァルトが一番好きという金野さん、今後もコンチェルトは弾きたい曲が沢山あるので、勉強を続けていきたいとのことでした。

演奏の合間にコーディネーターの庄司さんからマイクを向けられた仙台フィルの方々が、リハーサルや当日の演奏で新鮮な刺激を受けたとコメントされていましたが、シリーズ最終回のこの日も出演した若い皆さん、すべて熱演で本当に聴き応えのあるひと時でした。シリーズ3回を通して、無料で聴けたのが申し訳なく思うほど、どの回も素晴らしいコンサートが続きました。

さあ、この日でコンクール開幕までちょうど2ヶ月。雰囲気もどんどん盛り上がってきました。5月21日、まずはヴァイオリン予選1日目、日立システムズホール仙台でお会いしましょう!


仙台国際音楽コンクール公式サイト
(一昨日、スヴェトリン・ルセフさん、ジュセッペ・アンダローロさん、タン・シャオタンさんのインタビューがアップされています)



広報宣伝サポートボランティア   岡

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