©Shigeto Imura
7月6日(月)、仙台市のイズミティ21(仙台市泉文化創造センター)で仙台市の市制施行126年を記念するコンサートが開かれました。往復はがきによる応募に当選した、多くの仙台市民や仙台市に通勤、通学している方で埋め尽くされたイズミティ21の大ホールは普段のコンサートとはまた違った熱気に包まれました。
この日、ショパンのコンチェルトのソリストに招かれたのは、第5回仙台国際音楽コンクールピアノ部門第5位の片田愛理さんでした。

第5回の仙台でのコンクール表彰式後の記念写真。左から3番目が片田愛理さんです。もう、あれからまる2年が経ったのですね。片田さんはこの3月、東京音楽大学を首席で卒業、その記念コンサートで最終演奏者を務められました。その後、同大学院へ進学、ピアノ・エクセレンス1年に在学しながら、演奏活動に活躍中です。
市制施行126周年記念コンサート
出演: 角田 鋼亮 (指揮)
片田 愛理 (ピアノ)
仙台フィルハーモニー管弦楽団
演奏曲目
メンデルスゾーン/序曲「美しいメルジーネの物語」
ショパン/ピアノ協奏曲 第2番
シベリウス/交響曲 第1番
アンコール
シベリウス/アンダンテ・フェスティーボ
コンサートはメンデルスゾーンの序曲「美しいメルジオーネの物語」から始まりました。劇的なところもありますが、総じて軽快でほのぼのとした感じの曲で、清々しく心地よい雰囲気でスタートを切りました。
その後、会場にピアノが設営され、いよいよショパンのピアノ協奏曲第2番の演奏の準備が整いました。片田さんが薄紫の美しいドレスに身を包み、指揮の角田鋼亮さんと一緒に登壇すると、会場からは大きな歓迎の拍手が沸き起こりました。オーケストラ伴奏付きのピアノソナタと言っても言い過ぎではない位、ピアノが自在に美しい旋律を奏で続けるこの曲、会場の意識は片田さんのピアノに集中しました。片田さんはその美しい数々の旋律をさりげない詩情を漂わせながら、自然に流れるように弾き込んでいきます。女性ならではのしとやかさと、しなやかな意志が維持された演奏は、どんな時にも激さない構成感と秘めた情熱に貫かれていました。3つの楽章を通して見事にまとまった統一感は、コンクール後2年間の片田さんの更なる成長の証を私達に見せてくれたと感じました。演奏後、多くの「ブラボー」が連呼されたのは、言うまでもありません。
休憩後は、シベリウス交響曲第1番が演奏されました。とても有名な第2番に較べて、あまり聴く機会のない第1番ですが、美しい旋律と劇的な部分が交差する変化に富んだ曲で、仙台フィルの熱演もあり、楽しく聴かせて頂きました。
仙台国際音楽コンクールの入賞者や出場者が仙台に「帰ってきて」くれて、私達の前で演奏していただけるのは、本当に嬉しいものですね。今回のコンサートではトークの時間はありませんでしたので、前回片田さんが仙台でソロコンサートを開いた際の片田さんのコメントを振り返ってみましょう。
仙台のコンクールでは沢山の思い出とともに、仙台市民、ボランティア、スタッフの親切さともてなしに日本の良さを再認識しました。それは、以前コンクールに出場するため外国滞在した時、当たり前に感じていた日本の素晴らしさが身に沁みたのと似た体験でした。多くの外国からのコンテスタント達が、仙台で日本ファンになってくれたことが何よりも嬉しかったです。
3ヶ月後の「せんくら2015」でも、多くの仙台国際音楽コンクール出場経験者が来仙、演奏していただける予定になっています。コンクールを通じて、仙台のことを想っていただける音楽家に恵まれていることは、本当に貴重なことですね。これからも一市民として、仙台のコンクールを更に盛り上げていきたいと感じたひと時でした。片田さん、素晴らしい演奏をありがとうございました。
広報宣伝サポートボランティア 岡


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