2015年6月24日水曜日

Piano! Piano!! Piano!!! 聴いてきました!!!!

 
この時をありがとう。このご縁、いつまでも・・・
 

6月21日(日)、日立システムズホール仙台(仙台市青年文化センター)で仙台国際音楽コンクール出場経験のある3人のピアニストによるコンサートが開催され、聴いてきました。このコンサートは来年開催される第6回仙台国際音楽コンクールの関連事業の幕開けとなるイベントでした。

この日出演の佐野隆哉さん、鈴木美紗さん、法貴彩子さんは、東日本大震災直後の2011年4月から今年まで、毎年1回、東京にて開催されているチャリティーコンサートを企画運営して頂いている中心メンバーのピアニスト達です。まずは、以下のブログ記事でこれまでのチャリティーコンサートの歩みをご紹介します。
チャリティーコンサート公式ブログ
チャリティーコンサートレポート(当ブログ)
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第6回仙台国際音楽コンクール関連事業
SIMC@交流シリーズ
 Piano!Piano!!Piano!!! 
仙台を、愛してやまないピアニスト3人が贈る
珠玉のピアノ・セレクション


 
 
出演: 佐野隆哉 (第2回、第3回SIMC出場)
     鈴木美紗 (第4回SIMC出場)
     法貴彩子 (第4回SIMC出場)

演奏曲目:
バッハ/主よ、人の望みの喜びよ (連弾:法貴、鈴木)
モーツァルト/ピアノソナタ 第11番 イ長調 K331 (トルコ行進曲付) (佐野)
ラヴェル/夜のガスパール (法貴)
ショパン/バラード 第1番 ト短調 op.23 (佐野)
ドビュッシー/前奏曲集 第1集より(鈴木)
           「デルフィの舞姫」
           「音と香りは夕暮れの大気に漂う」
           「アナカプリの丘」
           「西風の見たもの」
           「亜麻色の髪の乙女」
           「ミンストレル」
                      喜びの島 (鈴木)
ラフマニノフ/ロマンス (6手連弾:佐野、法貴、鈴木)
アンコール
 ラフマニノフ/6手のためのワルツ

コンサートは鈴木さん、法貴さんの連弾によるバッハからスタートです。この曲を聴くといつも「癒しと希望」を感じます。3人のピアニストが仙台に寄せる想いが凝縮されている曲により、多くのお客様が集まった交流ホールのボルテージは静かに高まりました。

そして、まずはモーツァルト。佐野さんはいつもながら、古典派の曲ではその形式美を整然とした構成感で聴かせてくれます。この日も時に繊細に、時に大胆に、そして全体として素晴らしくまとまった演奏で楽しませていただきました。

次のプログラムは法貴さんによるラヴェル「夜のガスパール」。当日のトークによると、ラヴェルはそれまでのピアノ史でもっとも演奏が困難な曲を書くことを狙いとしていたそうで、会場の演奏家側に座っていたお客様は法貴さんの複雑な手の動きでそれを実感されたと思います。私は逆側に座っていたので、法貴さんの強い集中力に魅せられて、技巧の困難さも忘れて聴き入りました。音の粒、ひとつひとつが見事に揃っていて、統一感がある美しい演奏でした。

後半は佐野さんによるショパンの「バラード第1番」から始まりました。曲の前の軽快なトークで緊張気味の会場の雰囲気も一気に和みました。トークでも紹介されましたが、この曲はスケートの羽生結弦選手がショートプログラムで採用した曲です。佐野さんはいつもよりテンポや表現が自由な感じで弾かれているように感じました。でも、曲の背後にはしっかりとした構成感があります。きっと佐野さんには曲の全体を俯瞰できる生来の才能があるのではと実感しました。いつも聴いていて、とても安心感があるのです。

次は鈴木さんによるドビュッシーの前奏曲から6曲と「喜びの島」のプログラムです。いつもながら、優雅でひらめきに満ちた演奏で、ドビュッシーならではの色彩感にあふれた世界を楽しませていただきました。鈴木さんのこの演奏会にかける気持ちからでしょうか。5月の東京でのコンサートに続いて「喜びの島」が演奏されたのですが、今回は一段と熱のこもったものに感じられました。後半の盛り上がりもダイナミクスが大きく、興奮の中にピアニスト個々の演奏の最後を締めくくってくれました。

最後の曲の前に3人によるトークコーナーがありました。まずは佐野さんより、このコンサートの趣旨とこれまでのチャリティーコンサートの歩み、そして3人の出会いのいきさつ等が語られました。チャリティーコンサートはこれからも、ずっと続けていきたいという言葉に私たち聴衆も感謝の気持ちで一杯になりました。

鈴木さんはチャリティーコンサートの報告で6月11日先日奥山仙台市長に表敬訪問されたことと、今年のチャリティーコンサートから収益金の寄付先を1ヶ所増やして、「仙台市」と「子どもの村東北」の2ヶ所にされたことが報告されました。6月11日には、昨年12月開設されてまだ真新しい雰囲気の「子どもの村東北」も訪問されたそうで、その様子も紹介されました。この施設は大震災で被災して困難な状況にある子供達を支援する施設とのことです。
子どもの村東北 公式サイト

法貴さんからは、震災後鈴木さんの声掛けで関西からチャリティーコンサートに参加した時の思い出が披露されました。


そして最後はこの日の目玉となった6手連弾によるラフマニノフの「ロマンス」でした。曲の冒頭は有名なピアノ協奏曲第2番の第2楽章の旋律と全く同じです。プログラムによると、こちらの「ロマンス」の方が先に作曲されて、協奏曲に転用されたそうです。その調べの上に更にさらに美しい旋律が乗って、段々と高揚してクライマックスを迎え、それが段々と引いていき、しみじみとした感じで曲が閉じられました。アンコールはラフマニノフの6手連弾曲をもう一つプレゼントして頂きました。

仙台のことをいつも気にかけて、毎年チャリティーコンサートを開いて頂いている3人のコンサートが仙台でも実現されたことを本当に嬉しく思いますし、私もその場にいられたことを幸せに感じた時間でした。コンクールが結んだこのご縁は、私たちコンクールファンにとって、宝物と言えるものです。いつまでもこの繋がりを大切にしたいですね。鈴木さん、佐野さん、法貴さん、本当にありがとうございました。


広報宣伝サポートボランティア   岡



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