2014年12月6日土曜日

リチャード・リン CD発売記念コンサート


リチャードさんからの少し早いクリスマスプレゼント!
 
12月5日(金)、日立システムズホール仙台(青年文化センター)で第5回仙台国際音楽コンクールヴァイオリン部門優勝、リチャード・リンさんのニューアルバムの発売を記念したクリスマスコンサートが開催されました。

〈日立システムズホール仙台〉プレゼンツ
第5回仙台国際音楽コンクール優勝者
リチャード・リン
CD発売記念クリスマスコンサート

このコンサートは往復はがきによる応募の招待制で、この日の司会者、板橋恵子さんによると定員180名に対し、約400通の応募があったとのことです。リチャードさんの人気を反映していると思うと、とても嬉しく思いました。板橋恵子さんはDateFMでご活躍のパーソナリティ。いつもジャズの番組で落ち着いた語り口に魅せられていますが、今回初めてお姿を拝見しました。ラジオの時とは異なるフランクで明るい一面も見せていただき、一層ファンになりました。

このコンサート、前半はゲストによる演奏、後半がリチャード・リンさん、ロバート・リンさん(リチャードさん弟)の演奏という進行でした。プログラムは

宮城学院中学校高等学校ハンドベル班
ジングルベル
サンタが街にやってくる
見上げてごらん夜の星を

齋藤翠(ソプラノ)/木下順子(ピアノ)
マスカーニ/アヴェ・マリア
プッチーニ/「ラ・ボエーム」より「私が街を歩くと」
ガーシュイン/アイ・ガット・リズム
ハロルド・アーレン/「オズの魔法使い」より「虹の彼方に」

リチャード・リン(ヴァイオリン)/ロバート・リン(ピアノ)
ブラームス/ヴァイオリンソナタ第3番
バッハ/主よ、人の望みの喜びよ
チャイコフスキー/「くるみ割り人形」より3曲
カルロス・カルデル/タンゴ

アンコール
滝廉太郎/荒城の月(リン兄弟)
クリスマスソングメドレー(リン兄弟/齋藤翠/木下順子)


さて、プログラムの最初は宮城学院中学校高等学校ハンドベル班によるクリスマスにちなんだ3曲が披露されました。ハンドベル班は現在24名、その中からこの日は高校1年、2年の9名の皆さんが演奏していただきました。ハンドベル班(ハンドベルスクワイヤ)は学校での礼拝、各種イベント、施設などで積極的に演奏活動を続けておられるそうで、今年で60年の歴史を重ねています。司会の板橋さんが「心がやわらかくなる音色」と評されていましたが、その通りだと思いました。一人が8~10個のベルを担当するハンドベル演奏、一人でも欠けると本番どころか練習もできないので、心を合わせて合奏することが大切だそうです。本日12月6日13:00~藤崎本館前で演奏されるそうですので、皆様是非!

 

プログラム2番目は齋藤翠さん(ソプラノ)と木下順子さん(ピアノ)によるクリスマスに相応しい歌が演奏されました。お二人とも今年の「せんくら」にもご出演頂きました。齋藤さんは被災者による「花は咲く合唱団」を指導、歌う楽しさを通して心の復興を目指す、素晴らしい活動をされています。この合唱団は今では60名に及ぼうとしており、来年はパトナホールでのコンサートも予定されているそうです。木下さんはご主人のタタル・ヘンリさん(仙台フィル、第1ヴァイオリン)とのご夫婦デュオも来年10周年を迎え、それを記念してCD発売やコンサート(1月26日日立システムズホール仙台:交流ホール)も予定されてます。ますます仙台の音楽シーンでのご活躍を!
 
 
弟のロバートさんです!
 後半はメインプログラムであるリチャード・リンさんと弟のロバート・リンさんの演奏でした。この日の会場はパフォーマンス広場。それも影響してか、良い意味で力の抜けた、リラックスした演奏に感じ、年末のせわしない気持ちを癒してくれました。もちろん、リチャードさんは細部もおろそかにせず、一音一音慈しむように音楽を奏でます。ブラームスの第2楽章はしみじみとした精神的な深さを感じさせる歌で、やはりブラームスはリチャードさんにぴったりだなと思いました。終楽章の情熱的な部分の表現も申し分なく、ロバートさんも清潔感のある音色による熱演でリチャードさんを支えました。最後の「タンゴ」は以前のコンサートでも演奏してくれたことがあります。息のあった絶妙の掛け合いにやっぱり兄弟だなと感じさせられた一瞬でした。アンコールの「荒城の月」冒頭はリチャードさんのハーモニックスが比類のない美しさでした。2日前のサン=サーンスでのハーモニックスもとても美しかったですね。思わず、将来のための「世界一美しいハーモニックスを持つヴァイオリニスト」というコピーが浮かびました。

最後のアンコールの前に板橋恵子さんによるリチャードさん、ロバートさんへのインタビューコーナーがありました(特に名前の記載のない回答はリチャードさん)。

第5回仙台国際音楽コンクールの思い出は?
コンクールは今でも昨日のことのように思います。今回は3回目の来仙ですが、来るたびに歓迎されていると感じ、私にとって仙台は最もなじみの良い街です。

もちろん、優勝しようと思ってコンクールを受けたのですよね?
毎日目が覚めても、まだ私が優勝したと考えられません。優勝しようと思って受けた訳ではなく、周囲から聞いた仙台のコンクールの評判が高かったので、素晴らしい環境で演奏できること、文化交流を通じて学びの機会を得ることが目的でした。

ブラームスの音楽の魅力とは何だと思いますか?
ブラームスは演奏が難しく、奥深い音楽です。良く知った曲でも、関連する本を読んだりして、その度に勉強し直して演奏に臨みます。

ロバートさんは最初ヴァイオリンを勉強していたと聞きました?
小さい時は兄と同じヴァイオリンのレッスンを受けていました。でも兄がどんどん上手くなるのに対し、自分にはがっかりしていました。だからピアノに変更したのです。そして自信を取り戻すことができました(ロバート)。

お二人の共演歴は長いそうですね?
2人は小さい時から共演していました(ロバート)。
そうです。小さい時からです。ただし、最初は同じ部屋で違う曲を同時に練習していたのです!(笑)「同じ曲」を共演したのは私が11歳、ロバートが9歳の時が初めてです(リチャード)。

今日ご使用のヴァイオリンはストラディバリウスとのことですが?
ストラディバリウスのヴァイオリン製作の黄金時代は1705年から1720年、今回使ったのは1707年製の楽器です。

リチャードさんはどんな演奏家を目指していますか?
ハイフェッツ、ミルシテイン、オイストラフ。全て個性を持つ名人達です。現在は演奏家の個性が失われつつあるように感じます。私は自分のスタイルが確立された、個性のある音を届けることができる音楽家になりたいです。

 
終演後は、お二人によるサイン会がありました。私も発売されたばかりのCDを買って、お二人にサインしていただきました。左上がリチャードさん、右下がロバートさんのサインです(ちなみにお二人の漢字名は林品任さん、林品安さんです)。このCDいいですよ。おすすめです。
 
リチャードさん、今回もありがとうございます。
近い将来、また「リチャード・リン」という個性に出会えることを楽しみにしています。
 
 
広報宣伝サポートボランティア  岡


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