2014年10月7日火曜日

「せんくら2014」 3日目



10月5日、とうとう「せんくら2014」の最終日となりました。この日、私は6公演を楽しみました。合計で14公演。本当に充実した3日間でした。


スタジアムで、オリンピックで、運動会でおなじみ!
汗と情熱が輝く、スポーツ&クラシック

出演: 神田将(エレクトーン)
    
曲目: ワーグナー/ミュルンベルグのマイスタージンガー序曲
      ヨハン・シュトラウスⅡ/トリッチ・トラッチポルカ
      カバレフスキー/組曲「道化師」よりギャロップ
    ハチャトリアン/剣の舞
    プッチーニ/「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」
    ニーノ・ロータ/「ロミオとジュリエット」メインテーマ
    プロコフィエフ/「ロミオとジュリエット」より「モンタギュー家とキャピュレット家」
        ヴェルディ/「アイーダ」より凱旋行進曲
    アンコール ラヴェル/ボレロ

神田さんの公演は今回も充実した内容で、たった45分間でこれだけのことができるのかと驚きました。初日の公演は「シニアの青春」、今回の公演は「スポーツに使われた音楽」がテーマでした。来年もし来てくれたら、10周年の年に神田さんがどんな企画をぶつけてくるか本当に楽しみです。この公演のテーマは「スポーツ」だったので、神田さんとしてはラフなスタイルだったのですが、真紅の靴下でオシャレをすることを忘れていませんでした。


ロシア3大作曲家の魂 女流チェリスト山崎伸子、せんくら初登場!

出演: 山崎伸子(チェロ)
      津田裕也(ピアノ)

曲目: ラフマニノフ/チェロとピアノのための2つの小品より、前奏曲、東洋風舞曲
    ショスタコーヴィチ/チェロ・ソナタ ニ短調
          チャイコフスキー/夜想曲
     アンコール ラフマニノフ/ヴォカリーズ

チェロの山崎さんは初めて聴きました。慈愛に満ちた音で会場を包み込むような雰囲気の45分。こんなに温かみのあるチェロの音色はこれまで聴いたことがありません。今回も津田さんは素晴らしいサポートでした。アンコールのヴォカリーズは絶品でした。


一人一人に律義に挨拶する「むすび丸」 
 
ここで地下鉄に乗って、日立システムズホール仙台(青年文化センター)からイズミティ21(泉文化創造センター)に移動しました。イズミティ21では、仙台・宮城観光PR担当課長の「むすび丸」が入口に立って、多くの聴衆を迎えてくれていました。

ここまでしてくれた「むすび丸」。ありがとう。
現在、彼はゆるキャラ®グランプリ2014にエントリー中です。1日1回、清き一票を投じて、彼を男にしてやってください!
http://www.yurugp.jp
投票は10月20日まで。今日現在の途中経過で「むすび丸」はまだ全国で155位です。


ヴァン・クライバーン優勝後、初のせんくら出演!柔らかく美しく響く、ショパンの世界

出演: ヴァディム・ホロデンコ(ピアノ)

曲目: ショパン/舟歌 嬰へ長調
      ショパン/24の前奏曲
    アンコール パーセル/グラウンド

ホロデンコさんのソロ公演2日目。前日の集中と静けさのベートーヴェンとは対照的な、開放的な雰囲気の中でのショパンでした。もちろんピアノは完璧にコントロールされていて、隙のないものでした。多くのショパン演奏に見られるタメや揺らぎをほとんど作らず、整然とした感じで統一感のあるホロデンコさんらしい演奏だったと思います。もちろん、ところどころ会場が一つの構造物のようになって、違う場所へ連れ去られるような瞬間があって、さすがホロデンコさんです。アンコールのパーセルはとても良かった。ホロデンコさんのまた違う一面を見せてくれました。アンコールを聴き終えて、ホロデンコさんのスカルラッティを聴いてみたくなりました。きっと「完璧にコントロールされた中にウイットが利いている、そしてハッとするようなピアニシモに痺れる演奏」になりそうな予感がします。そう度々来仙できる人ではなくなってしまったけれど、来年の「せんくら」にはまた会いたいです。


「宮澤賢治の聴いたクラシック」著者の萩谷由喜子が自ら語る、トークイベント!

出演: 萩谷由喜子(音楽評論家)

萩谷先生のお話を直接聞くのは初めてでした。美しい着物に身を包んで登場された萩谷先生、キチンとした資料を用意していただき、整然とお話が進んでいきました。講義の中で、当時の花巻のレコード取扱い店が販売優秀店として全国規模で表彰されたエピソードが紹介されました。その成績はひとえに宮澤賢治の購入によるものだったそうです。賢治はレコード蒐集家としても日本有数の存在だったとは驚きですね。賢治が聴いた実際の音源を聴きながらの講義、本当に面白かったです。

特に付け加えたいのは賢治が実際聴いていたスメタナの「モルダウ」を音源を流して、モルダウ川が流れていく様子を交えながら、楽曲解説をしていただいたところが素晴らしかったです。豊富な言葉を駆使して、モルダウの流れとその周辺の様子がまるで見えるように語ってくれた萩谷先生のトークに酔いました。実は「モルダウ」は有名な旋律以外の部分は良く分からん曲だなとそれまで思っていたのですが、萩谷先生の解説で全てが氷解しました。ありがとうございました。

サインをしていただいた先生の著書「宮澤賢治の聴いたクラシック」(小学館)はこの日解説していただいた内容が詳しく記され、かつ賢治が実際聴いた音源が収められたCDが2枚付されている興味深い本です。賢治ファンには是非おすすめしたいと思います。

「宮澤賢治の聴いたクラシック」宮澤賢治のであった音楽をお話と演奏でたどる旅

出演: 萩谷由喜子(音楽評論家)
     神田将(エレクトーン)
     松坂優希(ピアノ)

萩谷先生の解説していただいた賢治にまつわる音楽をアーティストが実際演奏して楽しむコンサート。萩谷先生は先程とは違う着物を着て登場、会場には驚きの声が上がりました。まずは神田さんによるベートーヴェンの「運命」と「田園」、続いて仙台市出身のピアニスト松坂優希さんによる「月光ソナタ」、シューマンの「トロイメライ」、リストの「ラ・カンパネラ」が演奏されました。神田さんはフルオーケストラを彷彿とさせる迫力のある演奏、松坂さんは丁寧でたおやかな演奏、遅めのテンポで音一つ一つが磨かれていて、くっきりと分かる「ラ・カンパネラ」はこれまで気が付かなかった部分も明確に浮かび上がらせてくれました。最後の神田さんによる賢治自身の作曲による「星めぐりの歌」、これまで聴いた「星めぐりの歌」の中でベストでした!


仙台だからこそ実現した豪華メンバーによる、必聴コンサート!

出演: キム・ボムソリ(ヴァイオリン)
     西本幸弘(ヴァイオリン)
     津田裕也(ピアノ)

曲目: ショスタコーヴィチ/2つのヴァイオリンとピアノのために5つの小品
     ラヴェル/ハバネラ
     クライスラー/テンポ・ディ・メヌエット
     ハリヴォルセン/ノルウェーの旋律による協奏的カプリス
     サラサーテ/ナヴァラ
     アンコール シモネッティ/マドリガル

私としては「せんくら」最後の公演になりました。ヴァイオリンの技巧を駆使した楽しい曲ばかりで、3日間で興奮した気持ちをクールダウンさせてくれる、本当に後味の良いコンサートでした。この日司会もしてくれた西本幸弘さん、仙台フィルのコンサートマスターに就任して、初めてのリサイタルツアーが控えています。仙台公演は12月9日(火)19:00より宮城野区文化センターパトナホールで予定されていて、今から楽しみです。


さて、楽しかった3日間の締めくくりに、私なりに「せんくら」についての想いを綴ってみたいと思います。

この日の昼食は日立システムズホール仙台(青年文化センター)脇の出店で販売されていたピザを頂きました。路面に並べられたテーブルと椅子でのんびりとピザを頬張っていると、2人の小さいお子さんをつれたお母さんと同席になりました。自然と話が弾んで、そのお母さんは仙台に来てまだ1年未満という事を知りました。それまでは東京にお住まいだったそうです。東京にいた時は何とラ・フォル・ジュルネに参加されていたとのこと。お母さんはこう語ってくれました。「コンサートが終わった後、清々しいところで森を見ながら子供達とゆっくりピザを食べられるなんて、なんて贅沢なんでしょう。しかも『せんくら』では、会場もそれほど混雑せず、開演時間まであと少しというところでも入場できます。ラ・フォル・ジュルネではとにかく人、人、人。相当な時間の余裕をもって、会場入りしないといけません。人混みが激しくて、とても子供達とゆっくり食事なんてできませんでした。」それまで私はラ・フォル・ジュルネを羨ましく思う気持ちは強かったのですが、この言葉を聞いた瞬間、その気持ちはスーッと消えていきました。そう、仙台の街に「せんくら」があること自体がキセキだったのですね。そして、これまで「せんくら」を築き上げてきた人たちの苦労を思い、一市民としてこのイベントをこれからも支えていかなければならないと感じました。

私は仙台国際音楽コンクールのボランティアですが、コンクールと「せんくら」は双子の兄弟のような存在です。「せんくら」の成功なしに、コンクールの成功はあり得ませんし、その逆もまた真です。これまで、「せんくら」で多くの素晴らしいアーティストに出会えたことに感謝して、これからもずっと「せんくら」を楽しめるよう、その成功に微力をささげられたらと思っています。

さて、個人的には今回の「せんくら」では14公演の参加を選択しました。内訳をまとめてみると
メインテーマ「仙台国際音楽コンクール出身者を聴く」   5公演
第二テーマ「宮澤賢治と音楽の関係を知り、味わう」    2公演
お気に入りのアーティストの音楽を楽しむ           4公演 
アーティストとの新しい出会い                 3公演

第何回の「せんくら」が最初だったか忘れましたが、その後回を重ねるにつれて参加公演数を段々と増やしてきて、昨年第8回は18公演聴きました。それはかなり慌ただしいものでした。拍手の途中での退場、そして移動先の会場の開演ベルが鳴ってもまだ心拍が収まらないという経験もしました。これ以上、参加公演数を増やしたら、曲間や楽章間入退場という荒技を使わなければならないところまで来ていました。

今回の14公演という選択は自分なりに良かったかなと思います。際どい移動もなかったし、物販コーナーを楽しんだり、サイン会に並んでアーティストと交流する時間的余裕もありました。昼食もしっかり取ることができましたし、移動の途中、地下鉄駅コンサートを楽しむこともできました。ゆったりした気持ちで「せんくら」の全てに身を浸して楽しむには3日間で10~14公演位が適当かなというのが私の結論です。もちろん、それよりずっと少なくても十分楽しめますし、楽しみ方は人それぞれなのは言うまでもありません。

さて、次回の「せんくら」はいよいよ第10回の記念的な年になります。今回の「せんくら」では、公演後アンケートに第10回への希望やアイディアを聞く質問がありました。私も公演の合間に「そんなことできる筈ない」級のアイディアを2つ考えてみました。3日間の夢の宴が終わった後の抜け殻状態から脱したら、事務局にそっと提案してみたいと思います。笑わないでくださいね。


     
     
  
広報宣伝サポートボランティア   岡

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