2014年10月5日日曜日

「せんくら2014」2日目


「地下鉄駅コンサート」にも多くの人が (旭ヶ丘駅にて)
 
10月4日、「せんくら2014」の中日となりました。この日も私は4公演楽しみました。会場は前2つがイズミティ21(泉文化創造センター)、後2つが日立システムズホール仙台(青年文化センター)でした。もちろん、4公演とも大満足の一日でした。


仙台フィルと仲間たちが贈るカルテット傑作選!~ボムソリを迎えて

出演: キム・ボムソリ(第一ヴァイオリン)
    小川有紀子(第二ヴァイオリン、仙台フィル副首席)
      佐々木真史(ヴィオラ、元仙台フィル首席)
      三宅進(チェロ、仙台フィル首席)

曲目: ハイドン/弦楽四重奏曲「ひばり」より第1楽章
      シューベルト/弦楽四重奏曲「死と乙女」より第2楽章
      モーツァルト/弦楽四重奏曲「狩」より第1楽章
        ドヴォルザーク/弦楽四重奏曲「アメリカ」より第1楽章

 キム・ボムソリさんといえば、このブログの読者には説明不要かと思いますが、一応お伝えします。ボムソリさんは第4回仙台国際音楽コンクールヴァイオリン部門第4位、そして第5回5位。愛くるしい笑顔と演奏時の闘志をむき出しにしたひたむきさのギャップが魅力の仙台国際音楽コンクール史上最強の「プリンセス」です。その後彼女は昨年秋のミュンヘン国際音楽コンクールで最高位を獲得、世界に一歩踏み出しました。そんなボムソリさんが仙台に帰ってきて、「せんくら」での最初の出演公演とあって、仙台フィルの小川さんが「キム・ボムソリさん、いや、ボムソリちゃんです!」と紹介したとき、会場は割れるような拍手に包まれました。マイクを向けられたボムソリさんは日本語で「皆さん、こんにちは、私の名前はキム・ボムソリです」と挨拶した後、英語で次のようにコメントしてくれました。「今回、ここへ来ることができて本当に嬉しく思っています。仙台は私の第二の故郷です。第4回のコンクール、オーケストラや学校のコンサート、第5回のコンクールに続いて、今回は4回目の来仙となります。今後もまたすぐに仙台に来ることができたらいいなと思います。」

今日のプログラムは真紅のドレスがお似合いのボムソリさんを第一ヴァイオリンに迎えた弦楽四重奏の名曲集でした。にわかに結成されたカルテットにもかかわらず、息もぴったりでした。ボムソリさんは瑞々しい美音と切れ味のあるテクニックを発揮しながらも、しっかりアンサンブルに溶け合い、また一歩前進した姿を見せてくれました。ボムソリさんの公演は最終日の日曜日にあと2つあります。津田裕也さんとのデュオは完売ですが、イズミティでの「せんくら」最後から2番目の公演(西本幸弘さん、津田裕也さんとの共演、公演番号80)はまだ参加可能です(チケット僅少)。


神谷未穂&フレンズが贈る古楽のしらべ~芳しきバロックの薫り

出演: 神谷未穂(ヴァイオリン、仙台フィルコンサートマスター)
      小池まどか(ヴァイオリン、仙台フィル)
      エマニュエル・ジラール(ヴィオラ・ダ・ガンバ&チェロ)
        梅津樹子(チェンバロ)

曲目: テレマン/パリ新四重奏曲第6番 ホ短調
           バリエール/チェロ・ソナタ 作品1-1
           ヴィヴァルディ/ラ・フォリア

昨年に続いて「神谷未穂&フレンズ」のバロックを楽しみました。今年も神谷さんのトーク付きでしたが、今年は曲を積極的に45分の制限時間に適合させたようで、トークの時間は残念ながら短かったです。神谷さんのトークは短いなりに鋭さとユーモアがあり、美しく凛々しいお姿も相まって存在感はますます増加しています。まさに「わたしたちのコンサートマスター」として、そこにいるだけでリーダーシップを感じさせます。

神谷さんも認める「仙台フィルの古楽の権威」である小池まどかさん。神谷さんのトークではしばらくご病気で休養中だったそうです。どうりでここのところ仙台フィルの第二ヴァイオリンのなかに小池さんを見かけないと思っていました。この「せんくら」で復帰とのことで、本当に良かったです。この日も以前とまったく変わらない笑顔と新しいヘアスタイルで元気に音楽を伝えてくれました。

神谷さんの旦那様のエマニュエル・ジラールさん。ヴィオラ・ダ・ガンバとバロックチェロを持ちかえての、いつもながらの冴え渡るスーパーテクニックはさすがでした。特にチェロソナタでは胸がすくほどの指の動きを見せてくれました。

梅津樹子さんは青いチェンバロに合わせたドレスがお似合いで、坦々とアンサンブルを支えていました。梅津さんがいるだけで、他の3人とも安心して自由にバロックの世界に遊ばれているように思いました。仙台の古楽界には欠かせない存在と思います。いつも山形から来ていただき、ありがとうございます。

公演の合間にイズミティ21の休憩&物販会場で「せんくら」限定のオリジナル商品を見つけました。仙台市内に数店を展開されているネルソンコーヒーさんによる、「せんくら2014」のためにブレンドされたコーヒーです。4つの国で栽培されたコーヒーをブレンドしているので、その名も「Quartet(カルテット)」。それぞれの国の4人の顔がラベルにデザインされています。休憩&物販会場で飲むこともできるので、私も一杯購入して飲んでみたところ、私の好きな苦めで、まろやかかつ濃厚な味わいだったので、記念に200g購入しました。豆のままでも挽いても購入できるそうです。


すごいぞ鍵盤ハーモニカ!びっくり仰天!新たな可能性とサウンドの魅力

出演: 吉田絵奈(鍵盤ハーモニカ)
    渡辺具義(ギター)

曲目: レモ・ファゾット/アルビノーニのアダージョ
      吉田絵奈/Shelter from the rain
      本居長世/七つの子
      ジョゼフ・コロンボとトニー・ミュレナ/Indifference
           ガーシュウィン/ラプソディー・イン・ブルー 
      フローリアン・ゲルマン/黒い瞳
      吉田絵奈/ぬくもり
      サラサーテ/カルメン幻想曲
           アンコール チック・コリア/スペイン

昨晩のレストラン「びすた~り」さんでのディナーコンサートに続いて、この日も鍵盤ハーモニカを楽しみました。昨晩、そして今日と、単に学習楽器と思っていた鍵盤ハーモニカへの先入観が、吉田さんの演奏によってガラリと変わる体験をさせてもらいました。音の発生源が人間の息によるものなので、歌のように表現が自由自在にできるのがこの楽器の魅力とのことです。吉田さんのスーパーテクニックによって、それが存分に堪能できた45分間でした。では、鍵盤ハーモニカの特徴を良く表している吉田さんのトークを列記してみましょう。①1958年、ドイツで開発されたボタン式ハーモニカに続き、浜松の鈴木楽器製作所で開発されて今年で53年。②様々な楽器があり、吉田さんは16台所有している。③通っていた音楽大学のピアノ科の先生による「呼吸が大切」というアドバイスが、吉田さんが鍵盤ハーモニカを始めたきっかけ。④お腹でビブラートをかける。その際にかなりの呼吸量が必要。⑤重音を弾く場合は特に呼吸量が求められる。⑥かなり呼吸器官を酷使する楽器なので、吉田さんはこの楽器を始めて1ヶ月で3kg痩せた。ダイエットには最適。⑦今では腹筋が6つに割れている。

自由に吹いている(弾いている?)様に見えても、それは吉田さんの物凄い努力に支えられていることを知り、応援したい気持ちになりました。「カルメン幻想曲」では息を同時に吸い、吐くという「循環呼吸」のテクニックで、長いフレーズを息次ぎなしで疾走する技を披露してくれました。来月は佐渡裕さん率いるスーパーキッズオーケストラとの共演、12月9日は南青山「MANDALA」で2ndアルバム発表記念ライブが予定されているそうです。


第4回仙台国際音楽コンクール優勝者
世界を魅了したホロデンコが魅せるベートーヴェン

出演: ヴァディム・ホロデンコ(ピアノ)

曲目: ベートーヴェン/ピアノソナタ第10番 
                ピアノソナタ第17番「テンペスト」
     アンコール  ドビュッシー/「映像」第2集より「金色の魚」

この日最後に参加した公演は第4回仙台国際音楽コンクール優勝者、ホロデンコさんのベートーヴェンプログラムでした。クライバーンでも優勝し、超多忙な日々を送っているであろうホロデンコさん。仙台に来てくれて、本当に嬉しいです。私はホロデンコさんのことを勝手に「空気を一瞬にして変えるピアニスト」と呼んでいますが、この日も登壇し一礼した後、ホロデンコさんが鍵盤に手を触れた瞬間、会場の雰囲気は一変して、静謐なベートーヴェンの世界に連れ去られました。完璧なピアノコントロールと絶妙なピアニシモによって、ベートーヴェンの中期のソナタがまるで深い思索と苦悩の後にたどりついた清澄な世界を描く後期のソナタ群のように聴こえてきます。事務局から教えてもらったホロデンコさんのコメントによると「十分な準備があれば、本番は音楽自身が聴衆に話しかける自然な流れを妨げないように、音楽に極力介入しないように心がけています」とのこと。それをまさに体現するような、作品の素晴らしさを心から実感させられた演奏でした。明日のショパンプログラムも本当に楽しみです(チケットはすでに完売しています)。


「せんくら2014」も1日を残すばかりとなりました。完売公演(55、56、57、62、63、65、68、69、70、75、78、81、83)やチケット僅少公演(58、61、64、66、80、82)も多くなっていますし、状況もどんどん変わっています。今日一日を大切に、ご一緒に楽しみましょう。


広報宣伝サポートボランティア    岡

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