
7月7日(月)、仙台市のイズミティ21大ホールで市制施行125周年記念コンサートが開催されました。このコンサートは無料ですが、往復はがきで応募制となっており、毎回多数の応募者があると聞いています。今回私は幸運にも当選しましたので、当日参加することがきました。出演者は大井剛史さん指揮の仙台フィルハーモニー管弦楽団、協奏曲のソリストに昨年の第5回仙台国際音楽コンクールヴァイオリン部門第2位の成田達輝さんが選ばれました。
プログラム
シベリウス/カレリア序曲 作品10
シベリウス/ヴァイオリン協奏曲ニ短調 作品47
アンコール バッハ/無伴奏パルティータ第1番より(成田達輝ソロ)
シベリウス/交響曲第2番 ニ長調 作品43
アンコール シベリウス/組曲「カレリア」より「行進曲風に」
この日はオールシベリウスプログラム。最初のカレリア序曲の後、昨年のコンクールから約1年ぶりに仙台に来てくれた成田達輝さんが舞台に姿を現すと、満席の会場からは歓迎の大きな拍手が沸き起こりました。成田さんの豊麗といえる音色で有名な冒頭が奏でられ始めると私たち聴衆は一気に音楽に引き込まれました。集中力を高めるためか、時折少し下を向き、考え込むように演奏する成田さん。カデンツァの難技巧も何事もないようにぐいぐい弾き進めます。時に鋭く、時に柔らかく、攻めの姿勢でいろいろな面を見せてくれるのが成田さんの演奏の特長のように思います。第1楽章の圧倒的な出来栄えに会場から思わず拍手が起きたのも、納得です。続く第2楽章の瞑想的な表現、終楽章の技巧の連続も素晴らしく、最後の一音を弾き終えると、会場は大きな賞賛に包まれました。何度ものカーテンコールに応えて、成田さんがアンコールを弾き始めると私は心の中で「アッ」と叫んでしまいました。バッハの無伴奏パルティータ!そう、昨年のコンクールの予選課題曲です。このアンコールはこの日の白眉でしたね。コンクールの時の演奏とは一味も二味も違う、自由で表現力に満ちた、まさしく「成田流」のバッハ。このアンコールに込められた成田さんの想いを想像しながら深い感銘の時を過ごしました。成田達輝というヴァイオリニストの凄さを見せられた前半でした。これからの長い演奏家としての年月、成田さんがどう変貌、進化をしていくか、楽しみでなりません。
後半のプログラムはシベリウスの交響曲の中でももっとも有名な第2番が演奏されました。仙台フィルの演奏は溌剌としていて、この曲の田園的なおおらかさにぴったりで、解放的な気分を味あわせてくれました。普段は寒々とした荒涼館が漂う美しさを感じるシベリウスの音楽が、この日はとても明るく、楽しさに満ちた音楽に聴こえたのは、この曲の性格だけではなく、指揮者の大井剛史さんと仙台フィルの解釈の選択にもあったと思います。それはとても新鮮な響きであり、楽しい一時でした。アンコールは有名な「行進曲風に」。この日感じた爽快な気持ちを更に高めてくれて、とても後味の良いコンサートとなりました。
後日耳にした話によると、来仙にあわせて成田さんの取材も行われたそうですが、ひとつひとつの質問に正直に真摯に自分の考えを回答する成田さんに取材スタッフもとても良い印象を受けたそうです。今回も数軒の牛タン店を制覇したそうで、成田さんはこれまでのコンクール出場者の中で「もっとも仙台の牛タンを愛する男」といえるのではないでしょうか。成田さん、これからも仙台に来て、牛タンを満喫していただくとともに、さらに深化を遂げた「成田流」をたびたび私たちに聴かせてくれること切に願っています。
広報宣伝サポートボランティア 岡
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