芸術銀河スペシャルコンサート
~恩田陸『蜜蜂と遠雷』から~
ピアニストと国際音楽コンクール
【日時】2018年2月20日(火)14:00開演
ピアニストと国際音楽コンクール
【日時】2018年2月20日(火)14:00開演
【会場】 東京エレクトロンホール宮城
【出演】
鈴木 織衛(指揮)
佐藤 彦大(ピアノ:第4回仙台国際音楽コンクール第3位)
坂本 彩(ピアノ:第6回仙台国際音楽コンクール第6位)
佐藤 彦大(ピアノ:第4回仙台国際音楽コンクール第3位)
坂本 彩(ピアノ:第6回仙台国際音楽コンクール第6位)
仙台フィルハーモニー管弦楽団
【 プログラム 】
チャイコフスキー/歌劇「エウゲニ・オネーギン」より「ポロネーズ」
トークセッション「ピアニストが語るコンクール」(佐藤彦大&鈴木織衛)
トークセッション「ピアニストが語るコンクール」(佐藤彦大&鈴木織衛)
ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番(ピアノ:坂本 彩)
ヒナステラ/アルゼンチン舞曲集より「粋な娘の踊り」(坂本彩:アンコール)
トークセッション「コンクールで生まれる友情」(坂本彩&鈴木織衛)
プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第3番(ピアノ:佐藤 彦大)
この日のコンサートはトークセッションと2曲のピアノコンチェルトという魅力的なプログラムが組まれ、会場の東京エレクトロンホール宮城は手紙、FAX、ネット等での応募により、宮城県から招待された聴衆で満席となっていました。コンサートは指揮者の鈴木織衛さんの『蜜蜂と遠雷』の紹介を兼ねたコンサートの趣旨説明から始まり、オープニングのチャイコフスキーが演奏された後、指揮者の鈴木織衛さんが佐藤彦大さんを舞台へ呼び寄せてトークセッションが始まりました。
【佐藤彦大さんトークセッション】
佐藤さんが仙台国際音楽コンクールに出場したのは8年前の2010年。そして最初にコンクールに出場されたのは小学校3~4年生のころとのこと。現在30歳の佐藤さんですが、コンクールは2016年まで受け続けたそうです。その中では、スペインで行われるマリア・カナルスという大きなコンクールで第1位を取られたことが聞き手の鈴木織衛さんから紹介があり、会場から大きな拍手が起こりました。この後、佐藤さんのコンクール観が語られました。学習人口の多いピアノの世界で、コンクールは受賞により箔をつけて、世に出るためのステップとのこと。数多くのコンクールに出場された佐藤さんですが、小学生のころはコンクールでも全く緊張しなかったそうです。初めて緊張を覚えたのは中学3年の時。演奏中ずっと、ペダルを踏む足がガタガタと震えたことを今でも覚えているとのこと。その後多くの場数を踏まれ、現在ではお客様が入れば入るほど嬉しいそうです。「蜜蜂と遠雷」を読まれた佐藤さん。予選の結果発表のシーンでは緊張のあまり、思わず本を閉じたくなったと語っていました。そして、仙台のコンクールの思い出を話された佐藤さん。セミファイナルではベートーヴェンの2番、ファイナルではラフマニノフの2番を弾かれました。仙台のコンクールは演奏をサポートしてくれるスタッフの行き届いた配慮が他のコンクールに比べて高いことを語ってくれました。この日のプログラムに入っているプロコフィエフの3番は、人前で初めて弾くとのことでした。歌い回しのある曲が得意という佐藤さん。スポーティなプロコフィエフは自分にとって、大きなチャレンジですが、頑張りますとの力強いコメントで、後半のプログラムが本当に楽しみになりました。
トークの後は坂本彩さんのソロによるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番が演奏されました。坂本さんの演奏は、この曲が演奏される時しばしば見られる「甘ったるさ」は全くなく、清冽かつ均整のとれたラフマニノフでした。静と動のコントラストも明確で、第2楽章の密やかな瞑想も素晴らしかったです。第3楽章も、落ち着きと情熱の高まりが共存した演奏で、会場は大きな拍手とブラボーに包まれました。アンコールとして、坂本さんのソロによるヒナステラの「粋な娘の踊り」が演奏されました。不協和音が所々に織り込まれた、その名の通り粋な曲が情感を込めて演奏されました。
【坂本彩さんトークセッション】
休憩の後は坂本彩さんのトークコーナーでした。休憩前に演奏されたラフマニノフの2番は9月のスペインのコンクールで弾いた以来で、一昨年の仙台のコンクールでもファイナルではこの曲を弾いたそうです。今日演奏されたのはラフマニノフですが、坂本さんの好きな作曲家はベートーヴェンとブラームスだそうです。話しはコンクールのことに移りました。コンクールを受けはじめて2~3年となると、受ける先々で何度も会う人が出てくるとのことで、その町の良いところの情報を交換し合ったり、一緒に食事に行ったりするそうです。コンクールに落ちてしまったら、皆で観光に行くこともあり、ライバルというよりは、同志という感じとのことです。でも、実際当落が出ると、一晩泣きたい日もありますけど(笑)。ファイナリスト達も全行程が終わると、人が変わったように穏やかな顔になるそうです。仙台のコンクールを受けたのは一昨年。仙台のコンクールは他のコンクールと異なり、ファイナルまで残ると2週間で計3曲のコンチェルトを弾かなければならず、リハーサルと本番が繰り返される緊張が本当に大変で、最後は熱が出てしまったとのこと。でも、初めて訪れた仙台では、他の出場者と帰りに牛タンや焼き肉を食べに行ったこともあったそうです。裏方のスタッフ、そしてオーケストラの方々が一人一人に合わせて、フレキシブルに対応してくれたことが本当に嬉しかったとのこと。将来は、この先ずっとピアノを弾き続けて、ピュアな気持ちを忘れず、どんな時も生きた音楽を皆様に届けられればという坂本さんでした。
坂本さんのトークの後は佐藤彦大さんのソロによるプロコフィエフのピアノピアノ協奏曲第3番が演奏されました。佐藤さんの演奏は、卓抜した技巧により「楽しさ」を感じさせるものでした。律動的な曲にもかかわらず、ところどころロマンティックな印象まで感じさせて、この曲の新しい魅力をも見せてくれたように思います。クライマックスの第3楽章のラストはまさに圧巻、会場の熱気は最高潮に達しました。佐藤さんのアンコールはメンデルスゾーンの「春の歌」。春の予感を軽快に届けて、会場のボルテージを落ち着かせて、後味の良いコンサートの締めくくりとなりました。
今回仙台に帰ってきてくれた、お二人。演奏している合間合間にオーケストラをしっかり見据えて、アンサンブルのタイミングをしっかり確認し、オーケストラとの呼吸も抜群でした。さすが、仙台のコンクール出身と誇らしい気持ちになりました。また、ぜひ仙台に来ていただき、私達に素晴らしい演奏を聴かせてほしいと思います。
広報宣伝サポートボランティア 岡

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