6月25日(日)、仙台市の日立システムズホール仙台にて、第6回仙台国際音楽コンクール優勝記念演奏会「チャン・ユジンヴァイオリンリサイタル」が開催されました。
共演のピアニストはユジンさんの親友の小澤佳永さん。小澤さんとユジンさんとの友情から、二人のアンサンブルは抜群でした。この日の会場となったコンサートホールでは、1年振りにユジンさんを迎えた仙台市民の大きく温かい拍手が二人の熱演を讃えていました(当日の画像はコンクール事務局公式FBをご覧ください)。
【演奏曲目】
メンデルスゾーン/ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調(1838年)
グリーグ/ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ト長調 op.13
ストラヴィンスキー/ディヴェルティメント
シベリウス/6つの小品 op.79 から
第1曲 思い出 第5曲 牧歌的舞曲 第6曲 子守歌
サン=サーンス/序奏とロンド・カプリッチオーソ op.28
アンコール
ポンセ:エストレリータ
ピアソラ:タンゴ・エチュード 第3番
「全ての作品に私は深い思い入れがあります。全体的にロマンティックで、リサイタルにはあまり取り上げられない作品もお楽しみいただけるプログラムになっています」という、この日に寄せられたユジンさんのコメント通り、この日のプログラムは最後のサン=サーンス以外はあまり耳馴染みのない曲が並んでいましたが、ユジンさんの素晴らしい演奏で2時間、全く飽きることなく集中して聴くことができました。最初のメンデルスゾーンのソナタは20世紀になってから、メニューインが発見したという珍しい曲でしたが、メンデルスゾーンらしい素晴らしい曲でした。メリハリの利いた、溌剌とした演奏で、リサイタルのスタートを切りました。
2曲目のグリーグのソナタも初めて聴く曲でしたが、こちらも静けさを感じさせる美しい旋律に満ちた、素晴らしい曲でした。ユジンさんは芯のある音と十分な間合いを取った情熱的な表現、スケールの大きな演奏で感動を与えてくれました。
休憩をはさんで、後半の1曲目はストラヴィンスキーのディベルティメント。バレエ音楽から編み直された曲とのことでしたが、ヴァイオリンの様々な技巧が散りばめられており、コンサート向きの作品と感じました。不協和音が効果的に使われている所など、ヴァイオリン協奏曲に似ている所もあり、昨年の仙台国際音楽コンクール、ファイナルでのユジンさんの熱演が甦ってきました。
次のシベリウスの小品では、ユジンさんの歌心に癒されました。寄り添っている小澤さんのピアノも美しく、心休まるひと時でした。小澤さんのピアノは目立ち過ぎることなく、ユジンさんのヴァイオリンに寄り添っていました。かつ、ソロの部分ではしっかり主張するところもあり、思わず「上手いな」と心の中でつぶやきました。プログラムのプロフィールを見ると、小澤さんはアンサンブル経験も豊富なようで、なるほどと思いました。
最後は圧巻のサン=サーンス。切れ味の良さに痺れるとともに、ここでも昨年のコンクール、セミファイナルでの演奏を想い出しました。アンコールは中南米の作品2曲。私が勝手に抱いていたユジンさんのイメージからは、意外な選択でしたが、これも雰囲気がとても出ていて、彼女のレパートリーの広さを垣間見る想いがしました。全体を通じて、今回、ユジンさんの演奏から特に感じたことは、中音域の音の美しさでした。コンコールの時に増して、力強く、厚みがあり、音自体の説得力が一層増したように感じました。ヒョンジュンさんのレポートでも記しましたが、今回第6回のコンクールでも仙台は素晴らしい優勝者に恵まれて、本当に誇りに思います。これからのお二人の活躍が本当に楽しみです。
この後、ユジンさんは、7月2日、島根県益田市で広島交響楽団の定期演奏会に出演し、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲(第6回SIMCのファイナル曲)を演奏します。
広島交響楽団公式サイト
また、9月20日には、九州交響楽団の定期演奏会でストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲(第6回SIMCのファイナル曲)を演奏します。
九州交響楽団公式サイト
そして来年、山形交響楽団の定演に出演、前回コンクールでもヴァイオリン部門を担当して頂いた広上淳一さんの指揮でパガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番を演奏します。
山形交響楽団公式サイト
仙台のコンクールファンの皆様、2月はお隣り、山形に集合ですよ!
(写真提供:仙台市市民文化事業団)


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